
Aさん
世界各地では戦争は絶えないし、日本にも影響が出ているね。
戦争は起きてほしくない。平和がいい。
日本は「戦争放棄」の国だから戦争は絶対にしないよね?

Bさん
平和なほうがいいけど「絶対に戦争しない」とは言えないんじゃない。ウクライナがロシアに攻撃されてるように、日本がよその国に攻撃されるかもしれないし。

Aさん
それでもやっぱり戦争はしないほうがいい。

Bさん
攻撃されたらやっぱり戦争するでしょ。 応戦しないとみんなやられちゃうよ。

Aさん
応戦って簡単に言うけど、それはつまり人を殺したり殺されたりすることよ。

Bさん
そうだよ。 戦争なんだから当たり前でしょ。

Aさん
じゃあ誰が戦うの ? あなた ? あなたが戦うの ?

Bさん
僕はやらない。 やるのは自衛隊でしょ。 彼らが戦うんだよ。

Aさん
自衛隊の人のなかには災害救助はするけど、戦争して殺したり殺されたりするのは嫌だと思ってる人もいるでしょ? それを彼らに押し付けるのは間違ってると思うよ。

Bさん
それが仕事なんだから、それを承知で自衛隊に入ってるんだから戦ってもらわないとね。
防衛費に毎年8兆円も税金を突っ込んでるんだし。

Aさん
私はそんなふうには思わない。

Bさん
だったら君は殺されたり乱暴されたりすることを受け入れるわけ ? そうじゃないよね。
結局、綺麗ごと言ってるだけじゃないか。 実際は自衛隊員が戦うことを肯定するくせに。

Aさん
確かにそうかもしれない。 でもやっぱり戦争はいや。 誰が戦うにしても。
だけどあなた前は「戦争反対」って言ってたじゃない、気が変わったの ?

Bさん
いや、今でも戦争はよくないと思ってるよ。 でも、自衛のためならしょうがないよ。
このAさんBさんは、あなたの周りに必ずいます。
もしかしたら、あなた自身がAもしくはBかもしれませんね。
戦争するのか、しないのか
国会議事堂前をはじめ各地でペンライトやプラカードを手に「戦争反対」「9条まもれ」「憲法変えるな」…と訴える人々がいます。
そして、そういう場にもAさんやBさんはいます。 「戦争反対」という主張の中身は一つではなく、人により異なっているのです。
明確な自衛であっても戦争反対なのか ?
侵略戦争は不可だが自衛戦争なら認めるのか ?
9条の条文さえまもればOKで、「戦力保持・交戦権」は容認するのか ?
「自衛」なら戦争するのか、「自衛」でも戦争しないのか──これは本質的な問題で 、「 戦争反対」を唱える人々や自分自身にそれを問いかけ確かめることは、大きな意味があります。 ところが、9条護憲派(条文護持派)のリーダーのみなさんは、「それは訊いてはいけない、9条護憲派の分断を生むから」と言って、その問いかけを拒みます。
それでいいのでしょうか。
そうした姿勢は「戦争するのか、しないのか」という本質的な問題を曖昧にしたまま、「9条は自衛のための戦力保持や交戦を禁じていない」という(9条の本旨に反する)解釈を許し、その解釈に基づく歯止めなき軍備拡大をもたらしています。
「戦争するのか、しないのか」 「戦力としての自衛隊を認めるのか、認めないのか」 ──これは人々の命と暮らしにとって最も重要な選択となります。 これについて私たちは考え議論し、明確な意思を示さなければなりません。 それは主権者としての権利であり責務でもあります。 こんな大事な選択を政党、政治家に委ねてはなりません。
世界で唯一の非戦国家
無数の人を殺め傷つけた軍国主義の歴史、悲惨な戦争体験から学び反省した私たち日本人は、もう二度と戦争をしないと心に決め、憲法に「戦争放棄」を明記しました。 平和を求めつつ自衛のための戦争は否定しない諸外国とは異なり、日本は、たとえ自衛であっても戦争はしないという徹底した平和主義を掲げたのです。そんな国は他にありません。世界で唯一の非戦国家です。
「戦争放棄」を謳う第9条は、侵略ではなく自衛のためであっても「戦力を持つこと及び交戦すること」を認めていません。 少なくとも1946年の日本国憲法制定時は、憲法学者の大多数がそう解釈し、立法府、行政府も主権者・国民も憲法9条はそういうものだと理解していました。
それからわずか4年、朝鮮戦争時のマッカーサーによる「日本の再軍備指示」を機に9条の本旨と実態との乖離が始まりました。 以降、歴代政権は「自衛のために武力で反撃することも合憲」とする姿勢をとり(つまり「解釈改憲」です)、70数年にわたり9条の本旨と実態との乖離は年々大きくなっていきました。
陸海空の自衛隊は国防のための軍事組織として最新鋭の兵器を持ち、有事に備えて他国軍と共同訓練もするようになりました。 日本は世界有数の軍事大国になっています。 自衛隊は、憲法9条が禁じていた「戦力」に他なりません。

「解釈改憲」を認めない
[憲法改正案の国会発議⇒⇒国民投票での主権者の承認]という正規の手続きを踏んでの明文改憲ではなく、条文は改めず国民投票での承認も得ずに国会議員が勝手にやっている「解釈改憲」。 それは、主権者・国民の憲法制定権を犯し立憲主義を壊すものであり、個々人がどのような「戦争観/非戦観」を持っていようと主権者はこうした「解釈改憲」を許してはなりません。

9条の「解釈合戦」に委ねてはだめ
「憲法9条は、たとえ自衛のためであっても、戦力保持や交戦を禁じている」
「いや、9条は自衛のための戦力保持や交戦を認めている」
学者や政治家によるこの「解釈合戦」は70年余、延々と続いてきましたが、今や国会議員の大多数が「9条は自衛のための戦力保持や交戦は禁じていない」という理解・立場です。 護憲リベラルを自称している議員でさえもそうです。
だからといって、私たち主権者がその「解釈合戦」での多数派に従う必要はありません。「(学者、政治家の)9条解釈はこうだから戦争はしない、あるいは戦争をする」といった具合に解釈に支配されるのではなく、主権者が「戦争するのかしないのか」を決めてその意思を反映した憲法を定める。それこそが国民主権の道理です。
日本国民は、ほぼ全員が「戦争は悲惨、戦争はよくない」と考えています。
ただし、「 自衛」なら戦争するのか、「自衛」でもしないのかについては曖昧にしてきました。 それは、いわゆる「平和教育」においてもそうです。 生徒・学生に、広島、長崎、沖縄などの悲惨な歴史については教え学ばせてきましたが、「自衛」なら戦争するのか、「自衛」でもしないのかについては、考えさせ議論させることはしてきませんでした。
「自衛」なら戦争するのか、「自衛」でも戦争しないのか?
「自衛」のためなら戦力・軍隊を持つのか、 「自衛」のためでも持たないのか?
今こそ、それについての対話・熟議を行い、戦争するのかしないのかを政権トップではなく主権者・国民が決めるべきだと私たちは考え、このプロジェクトを立ち上げました。
立法府、行政府への働きかけ
高市早苗首相は、「9条改正案の策定、国会発議及び国民投票を任期中にやりたい」旨の発言を繰り返しています。 誰の、どの政党の政権であれ、憲法96条の規定により、議員は衆参各院で3分の2以上の多数派を形成すればそれ(国会発議)をなすことができます。
一方、私たち国民は 主権者なのに、憲法そのものについても「原発」「安保」「天皇制」「同性婚」「選択的夫婦別姓」といった憲法以外の案件についても発案権や拒否権がありません。 これは、この国の制度の瑕疵です。 議員による「改憲の国会発議」のみを認めるのではなく主権者である「国民の発議権」を認める旨96条に盛り込むべきです。
「96条の規定に則ってやれば問題なし」ではなく、本来は国会で改正案を審議したり発議したりする前に、主権者である国民が議論を重ねた上で改正案(市民案)を策定し立法府にとりまとめた案を提言する。 そして立法府はそれを受け、熟議をもって憲法改正案を策定し国会発議を行うべきだ──と私たちは考えています。
市民による〈非戦・交戦〉の対話
そうした仕組み、プロセスはいくつかの国で採用されています。
例えばアイルランドでは「婚姻の平等化(同性婚)」の是非をめぐる憲法改正の国民投票(2015.05.22実施)を行う前に、くじ引きで選ばれた66人の市民、33人の国会議員らで構成される「憲法会議」において「9回の週末会議」が行われ、熟議がなされました。そして、その結論・提言をもとに国会は改正案の審議を行いました。
こうしたアイルランドにおける事例を見てもわかるように、日本において衆参の国会で「改正案」を審議して国会発議をする前に「市民の熟議による意見」を受け取り、これを最大限尊重して審議⇒国会発議⇒国民投票を行うべし──という主張は決して非常識な考えではありません。


諮問型国民投票(予備的国民投票)の実施
日本の9条改正については、96条に則った手続きでの法的拘束力を有した国民投票を実施する前に、上記のようなプロセスを経ての「市民の意思」を汲み取った9条改正案(複数)のどれを選択するかの諮問型国民投票(予備的国民投票)を行う。 そのことを私たちは立法府と行政府に求めます。
その際、[自衛のための戦力(国防軍)保持、自衛のための交戦を認めることを明記する9条改正案]及び[自衛のためであっても戦力保持、交戦を認めないことを明記する9条改正案]の両方を、諮問型国民投票(予備的国民投票)の選択肢に盛り込み、主権者・国民の意思を確認すべきだと考えます。

About Us
団体概要
〈非戦・交戦〉対話プロジェクトは、 憲法9条の「解釈改憲」に依存せず、 市民が主体となって「非戦か、交戦か」を丁寧に考えるための対話・熟議の場をつくる取り組みです。
活動の背景やメンバー構成など、詳細は団体概要ページをご覧ください。

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